自分に合った快適性

身体の支持力

敷く側の寝具の性能で、最も大切なのは寝姿勢を正しく保つことです。それは仰臥(上向き)の姿勢で、背骨の曲がりと腰の部分とが2~3cmあくS字形になることです。人は一晩に20~30回寝返りを打ちますが、仰臥の姿勢をとる時間の割合が多ければ、筋肉に無理がかからないので疲労がとれ、それに仰臥の姿勢のとき最も眠りが深いという研究報告もあります。寝姿勢の保持が悪いと、腰痛や寝違いなどの原因にもなり、熟睡できないので、仰臥の姿勢を基本にして、寝返りが打ちやすく、身体に合ったものを選ぶ必要があります。



健康な人が立ったとき、背骨のS字形の曲がりは約4~6cm、寝たとき心地よいと感ずる背骨の曲がりは1/2の2~3cm、この2~3cmのS字姿勢を正しく支持することが敷く側の寝具に求められる役目です。

人体の構造をモデル的にとらえた場合、頭部と胸部と臀部という3つのブロックを、頸椎と腰椎という2つのジョイントによって連結されていると見なすことができます。これら3つのブロックは、立った姿勢のときは重力の方向に重なっていますが、寝るとそれぞれのブロックは独立して別々の重力が働きます。人体の各部位の重量比は、下のイラストのようになっています。つまり、身体を柔らかすぎる寝具で支えたならば、重いブロックの部分は沈み、軽いジョイント部分が浮き上がるため、腹が突き出たW字形になって寝にくくなります。

正しい寝姿勢
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Realplayerが必要です。

理想的なマットレス

硬すぎるマットレス

柔らかすぎるマットレス

体圧をマットレス全体で受けとめ、快適な寝姿勢を維持します。

クッション性が悪く、安眠の妨げになります。

背中・腰の部分が沈みすぎで体に負担がかかります。

体圧分布

マットレスに寝た際、体にうける圧力の分布状態は寝心地を左右する大切な要素です。人体には鋭敏な部分と鈍感な部分があり、鋭敏な部分には小さな圧力、鈍感な部分には大きな圧力がかかるように分布することで心地よい眠りが得られます。寝具が硬すぎると鋭敏な部分に圧力が分布し、柔らかすぎる寝具では平均的に分布するため安定性に欠け、いづれも熟睡を妨げます。

従来のマットレス

理想のマットレス

背中、腰などに、体圧が集中し、その部分を圧迫しています。

体圧が一ケ所に集中しないため、身体を圧迫することなく、理想的な体圧分布を保ちます。

寝姿勢の動きから見た寝心地

理想的寝具(a)

一晩の集計時間のうち45%を仰臥位で寝ている。仰臥していた時間の割合が多いということは、寝心地の良さを示しています。

腎部の落ち込まないマットレス

柔らかすぎる寝具(b)

全睡眠時間のわずか8%しか仰臥位で寝ていない。仰臥では腹が出て寝にくいため、側臥位の割合が多くなることを示しています。

腎部の落ち込むマットレス

硬すぎる寝具(c)

仰臥の割合は30%を占めている。クッション性に欠けるため圧力が局部的に集中し、左右の寝返りで緩和していることを示しています。

腎部の落ち込むマットレス

弾力性

実際の製品についてスリープ研究センターの実験室で測定してみたところ、仰臥位ではスプリングの支持力が強い (硬い)ものほど正しい寝姿勢に近づき、側臥位では支持力が弱い(軟らかい)ほうが正しい寝姿勢に近くなることがわかりました。つまり、強い支持力と弱い支持力をバランスよく組み合わせたものが良いことになります。
これを解決するのが弾性の三層構造です。三層構造というのは、一番上のA層は体に接する部分だから柔らかくし、その下のB層はかなり硬い層にして、この二つの層で寝姿勢を正しく保つ。一番下のC層は衝撃をうけとめるショックアブソーバーの役割を果たす。これは千葉工業大学の小原二郎教授の提唱する考え方です。

弾力性


柔・硬・軟の三層構造は、例えば畳の上にふとんを敷いた場合、畳はB層とやや硬めのC層的な役目をもち、綿のふとんはA層と押しつぶされたB層の役目を果たす。ウレタン・フォームのマットレスは、A層とC層の役目を果たすことはできるものの、B層の役目は特殊な工夫を必要とします。
スプリングベッドは、従来ダブルクッション(マットレスとボトムクッションを組み合わせたタイプ)でしたが、近年はクッション材料の性能向上と製造技術が進歩したため、スノコの上にマットレスを置くだけで、ダブルクッションに近い性能のものが作られるようになりました。とはいえ、寝心地を重視するホテルなどではダブルクッションが主流です。

大きさ

寝具の大きさについては、掛けふとんは敷く側より幅も長さも20cm程度大きくすればよいとされています。また、敷く側の大きさはJISで決められていますが、それは実験の結果から出たもので、寝具が柔らかくても硬くても寝返りを打つ幅は肩幅の2.5~3.0倍であることから、肩幅の約2.5倍程度が基準になります。シングルでは幅が約90cm、セミダブルでは約120cm、ダブルサイズでは約140cmになっています。さらにキングサイズの幅は180cm以上になります。長さについては身長+20cm程度が基準です。

ベッドを購入する前に

とくにサイズの大きいベッドは、玄関や部屋の出入り口の大きさによっては入らない場合があります。ベッド(脚付ベッド、特殊形状ベッド)の最大値を確かめ、さらに搬入経路も障害物の有無や幅・高さに支障がないか測った上で、ご購入されることをお勧めします。

環境

スプリングマットレスは、厚生労働省から処理困難廃棄物に指定され、消費者も製造・販売に関わる人たちも、適正な処理のための努力が求められています。フランスベッドでは、業界初の試みとして廃スプリングマットレスの回収と解体を行い、素材ごとにリサイクルを可能にするフランスベッドリサイクルシステムを構築、さらに同システムに対応する100%リサイクル可能マットレスを開発しました。これからの循環型社会を推進すべく、当社はリサイクル活動に取り組んでいきます。

衛生性

寝具は直接肌に触れるものなので、普通はカバーなどの補助用品を使います。これに要求される性能は第一に衛生性、次に洗濯性、三番目が取扱いやすさと考えて良いでしょう。処理には、熱・乾燥・紫外線などの物理的な方法のほうが、薬品による化学的な処理よりも適しています。
フランスベッドのマットレスは、表地から詰物まで全てニュー素材を使い、防ダニ・抗菌防臭加工も施しているほか、ホコリやダニを通さない特殊な素材・加工を施した特別仕様の高衛生マットレスもあり、掛けふとんや枕にも衛生仕様があります。


全日本ベッド工業会では、品質と衛生面に配慮した《マットレスの環境基準》を設定し、これに適合したマットレスには「衛生マーク」を付け、安心してご使用できることを明示しています。

衛生マット

全日本ベッド工業会では、品質と衛生面に配慮した《マットレスの環境基準》を設定し、これに適合したマットレスには「衛生マーク」を付け、安心してご使用できることを明示しています。

耐久性

長持ちするものは経済性や省資源ともつながります。JIS (日本工業規格)の耐久試験やベッドの買換え状況の調査によると、通常の使い方であれば、ホテルなどの業務用で7~8年、一般家庭用で10~12年は問題なく使用できるとされています。また、ベッドにはその性能を保証する表示マークが付けられているので、表示を確認して自分に合ったベッドをお選びください。


フランスベッドでは、スリープ研究センターで耐久性の試験・実験を実施して品質の維持・向上に努めているほか、JIS よりも厳しい独自の基準「FES規格」(フランスベッド・エンジニアリング・スタンダード)を設け、この基準にしたがって材料の選定、加工方法、製造工程、製品検査、さらに塗装から最終仕上げまで全工程にわたって厳しくチェックし、品質管理にも万全を期しています。とくにベッドは長い期間にわたって使うものであるため、アフターサービス等を保証している良心的なメーカーを選ぶことが大切です。

寝具の快適性チェックポイント